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「情熱大陸」回想録 <シシリア・ラビダ農園で出張料理>編 (3)

コース仕立ての御料理は、前菜2品、スープと進み、次は、メインディッシュの「地鶏のソテー、柚子胡椒風味の搾り立てオリーブオイルソース添え」です。
付け合せの野菜は、1品目と同じように、彩り良く、歯応えを残して、出汁の旨味を浸み込ませた物にする予定だったのですが、それでは、また、残される可能性を肌で感じましたので、急遽、オリーブオイルで柔らかく素揚げしてお出しすることに致しました。
番組内では、額に大粒の汗を浮かばせながら、フライパンでブロッコリーを素揚げしているシーンが紹介されましたが、このあたりでは、全神経をブロッコリーに集中させており、カメラがあることさえ忘れて、調理に没頭しておりました(笑)。
その他、シシリア産の大きなナスも、素揚げして、香ばしく色付けましたし、日本から持参した、玄米のこしひかりは、オリーブオイルとバルサミコ酢を入れて、お鍋で炊き、野菜や豆を加えて、サラダ風に仕上げました。
この、急遽、調理法を変えたメインディッシュも、全員の皆様に完食して頂き、やっと、肩の荷が降りた気が致しました。
最後のデザートでは、リンゴに一切の砂糖を使わずに、軽く塩を振りかけ、オリーブオイルを馴染ませてオーブンで焼いた物と、完熟した柿をグラタン仕立てにしたのですが、これも、大好評で、息子さんは、「おかわり」までしてくれました(笑)。
すべてのコース料理を出し終え、客席に伺って、なぜ、1品目の野菜を残されたのか、ニューヨークから来て下さった、高齢の御夫妻にお伺いしてみました。このシーンも番組内で紹介されましたが、やはり、柔らか目の方がお好きだとのこと。体調も万全ではなかったようです。
予想はしておりましたが、理由をお聞き出来て、スッキリ致しました(笑)。
今回も、壁にぶち当たりながら、何とか乗り越えて行くという、貴重な経験をさせて頂くことが出来ました。
この経験を大きな財産として、今後に生かして行きたいとは思いますが、「南イタリアのみなさんに野菜本来の美味しい食べ方を伝えたい」という、熱い気持ちに変わりはありませんので、これからも地道に、壁にぶち当たることを恐れずに、頑張りたいと思っております。
皆様も、応援を、どうぞ宜しくお願い致します(笑)。



急遽、料理法を変えた「地鶏のソテー、柚子胡椒風味のオリーブオイルソース」です。

料理法を変えたメインディッシュは、全員に完食して頂きました。

デザートは「焼きリンゴと柿のグラタン仕立て」、オリーブオイルが決め手です。

御食事会のお礼に、貴重な「手書きの絵画」を頂きました。

息子さんには、一生懸命に楽器の演奏をして頂き、感激致しました。


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2010年06月26日 13:32に投稿されたエントリーのページです。

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