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「自遊人」11月号は、コグレの「高知・四万十川特集」です (3)

四万十川の初日には、朝6時前から漁に同行させて頂きました。
舟も、昔ながらの手漕ぎの小舟でしたし、漁の方法も、厳しい自然の摂理に張り合うことなく合わせて、いつまでも、うまく自然と共存していけるような、本当に魚の習性を知り尽くした、伝統的な手法で、このように素晴らしい食文化が残されていること自体に、とても感動致しました。
小舟に乗り込みながら、どこまでも美しい清流・四万十川を見渡しますと、遠くに、岩を積み上げている様子が、いくつも目に留まりました。
川漁師暦50年の山崎さんに、それを尋ねますと「あれは、石ぐろ漁といいます。積み上げた岩の隙間に天然うなぎが入り込む習性を利用した、伝統的な漁法ですよ」と、笑顔で教えて下さいました。
そして、「もうひとつの伝統的漁法、柴漬け漁をお見せしましょう」と、山崎さん。勉強不足の私が「えっ!漬物の柴漬けですか(笑)?」と、思わず質問しますと「いや、葉の付いた木の枝を柴といい、それを束ねて川に沈めておくと、天然うなぎが寝床にして、入ってくるんですよ(笑)」とのこと。私は、深く感銘を受け、益々、四万十の地が大好きになりました(笑)。柴漬け漁で獲れた天然うなぎは、生命力に溢れ、シェイプアップされていて、朝日に輝き、とても美しかったです。
この日の漁場は、四万十川河口から10kmほど上流の、新四万十川橋付近でしたので、天然うなぎのほかにも、アカメや黒鯛、ボラ、ナマズなど、新鮮な海の魚と川魚の両方を収穫することが出来ました。特に、アカメは、1m近くある大物で、四万十川の豊かさを、つくづく実感致しました。
漁に同行させて下さり、貴重な体験をさせて頂いた、川漁師の山崎さん、そして、四万十屋の板長・佐田さん、本当に有難う御座いました。心より、御礼を申し上げます。


岩を積み上げる、四万十の伝統的漁法「石ぐろ漁」の風景です。

葉付きの枝を利用する、四万十の伝統的漁法「柴漬け漁」の風景です。

柴に入り込んだ天然うなぎを、大きな網で引き上げます。

伝統的な漁法では、便利な機械等を使わない為、体力勝負になります。

網の中には、元気な天然うなぎが2尾入っていました。

生きている天然うなぎを持つのは、初めてでした(笑)。

1m近い、大きなアカメには、感動致しました。

愛嬌のある、大きなナマズは、ずっしりと重かったです。

川魚の他にも、黒鯛等の海の魚も収穫出来ました。

四万十川の名物、沈下橋にて。

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2010年10月22日 10:18に投稿されたエントリーのページです。

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