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日本フードコーディネーター協会の会報誌「FCAJジャーナル2011」に紹介されました

日本フードコーディネーター協会の会報誌「FCAJジャーナル2011(Vol.90)」に、私のインタビュー記事が掲載されていますので、早速、その内容を御紹介させて頂きます。

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           老若男女に支持される料理を提供、全国を飛び回る


          出張料理人 ・料理研究家・オリーブオイルのソムリエ 小暮 剛

          
フランス料理の修業を経て独立し、全国各地の一般家庭に出向いて料理を提供している小暮剛さん。口コミで評判が広がり、著名人のファンも多数。現在は料理研究家、オリーブオイルのソムリエとしても活躍されています。

−店を構えない、出張料理というスタイルを取られたのはなぜですか?
 元々私が料理の世界に入ったのは、「自分の作る料理で日本全国の人々を笑顔にしたい」と思ったからです。30歳になったら店を持つことを目標に、まずは経営の勉強をするために大学へ入り、その後、調理師学校で料理を学んでフランスや東京のレストランで修業しました。しかし、いざ独立を考えた時、「店には、地方に住む人や小さな子ども、身体の不自由な老人など、食事に来たくても来られない人が多い。それでは自分の夢が叶えられないのではないか」と思うようになったのです。そこで、どんな人にも自分の料理が食べてもらえる方法を模索し、1992年、31歳の時に出張料理人として独立しました。最初の3-4年は、フリーペーパーに取材してもらったり、自分でチラシを作って配るなど、色々宣伝をしましたが、まったく反応がなく、苦しい状態が続きました。しかし、友人や先輩からお客様を紹介してもらい、そこから徐々に口コミで評判が広がっていったのです。当時は和食の出張料理はありましたが、フレンチの出張料理人は殆どいなかったため、テレビや雑誌などでも取り上げられ、地方からも依頼が来るようになりました。
−一般家庭のキッチンで調理をする苦労はありますか?
 包丁やまな板、鍋、皿など、使う機材は一式持ち込みます。家庭の熱源だと火力が弱い場合があるので、カセットコンロを持参することもあります。また、特に最新のキッチンだと、皿を何枚も並べて盛りつけができる、広くて平らなスペースが意外と少ないんです。これは現場に行ってみないとわからないことなので、使えるスペースはどこでも使い、場合によっては、空き箱や板で作業台を作るなど、臨機応変に対応しています。料理の完成度を考えれば現場で一から調理するのがベストなのですが、長時間お客様のキッチンを占拠するわけにもいきません。ある程度まで自分の厨房で仕込み、現場には食事の開始時間の1時間前に入るようにしています。移動は、関東圏内でしたら車が基本で、遠方の場合は機材や食材を宅配便で送ります。
−料理はどのようなものが好まれるのでしょうか。
 新築祝い、誕生日、結納、結婚式、法事といった、老若男女、幅広い年齢層が集う慶弔行事に呼ばれることが多く、お年寄りから小さいお子さんまで、すべての客層に合う味つけを意識しなければなりません。実は、これが非常に難しいのですが、味噌や醤油、鰹と昆布で取った和風出汁など、食べ慣れた和のテイストを隠し味に取り入れると、たいていの方に喜んでいただけます。また、バターや生クリームの代わりに上質なオリーブオイルを使い、野菜を多用してヘルシーな料理を意識しています。飲み物も、お客様の嗜好は様々で、自由に用意して頂いていますが、和の要素やオリーブオイルを使った料理は、どんな飲み物とも合い、とても好評です。
−求められる能力、成功のポイントを教えてください。
 ある程度の調理経験を積んだ人であれば、出張料理はすぐにでも始められます。しかし、長く続けるには、食事をより楽しんでもらえるような話術、雰囲気作りが必須。料理をサービスする時やゲストから質問があった場合など、ユーモアを交えながら分かり易く説明して、食後に“何倍も楽しかった”と感じてもらえるよう意識しています。そうすることで、次回のリピートや口コミによる新規の依頼にもつながっていきます。
−出張料理以外にもさまざまな分野で活躍されていますね。
 地方の活性化のため、特産品を生かした商品開発や、機内食のメニュー開発、料理教室など、料理研究家としての仕事の依頼を頂くようになり、今ではそちらの活動の割合が多くなってきました。出張料理で様々な家庭の台所を目にした経験から食育の重要性を感じ、最近では講演や子ども向けの料理教室にも力を入れています。出張料理で鍛えた話術がこんなところで生かせていますね(笑)。長年食の仕事に携わり、その恩返しとして正しい食の知識を広めたいと思っています。


TSUYOSHI KOGURE
1961年千葉県生まれ。明治学院大学卒業後、辻調理師学校に入学。’84年に卒業して渡仏、リヨンの有名レストランで修業を積む。’86年に帰国し、日比谷「南部亭」、青山「KIHACHI」、「セラン」に勤める。’92年に出張料理人として独立。その後、企業の商品・メニュー開発や料理教室、食育教室、講演なども行う。オリーブオイルの研究にも取り組み、2005年にはイタリア・シチリア州の名門オリーブ農園より日本人初の「オリーブオイルのソムリエ」の称号を授与される。各メディア出演、著書多数。
http://www.kogure-t.jp


(料理)
料理は前菜、スープ、魚、肉、デザートを基本に、予算に応じたコース内容で提供。主食のパンや御飯は、食事会の趣旨に合わせ、お客様に用意してもらうことが多い。写真は新鮮な帆立貝を、オリーブオイルで作ったマヨネーズであえたもの。つけ合わせの各種野菜は和風出汁とオリーブオイルでマリネしている。


「FCAJジャーナル2011(Vol.90)」は、秋をイメージした表紙が
とても御洒落ですね

テレビ、ラジオ以外での「出張料理に関するインタビュー」は
久しぶりです(笑)

プロフィール用の写真は、私のスタジオの「オリーブの木々」の前で撮影して頂きました(笑)


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2011年10月03日 09:37に投稿されたエントリーのページです。

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