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自然の小鳥達から学ぶ「食育」

「コグレ・オリーブ農園」には、地中海沿岸諸国と同じように、オリーブの木の近くに生命力の強い「イチヂクの木」を植えていますが、最近、その実も完熟して来ました。
先日も「翌日が食べ頃のイチジクの実」をチェックし、翌朝、早速収穫しようと農園に出向いたのですが、そのチェック済みの「本日が一番食べ頃のイチヂク」ばかりが、すでに小鳥達に食べ尽くされた直後でした(笑)今までにも、「オレンジ」や「みかん」、「桃」、「洋梨」等で、同じ様な被害(?)に遭っていますが、それらのことから「深い自然の摂理」を学ぶことが出来るのではないでしょうか?
つまり、自然の中で生きている小鳥達は「何をいつ頃食べたら良いのか」を「正確に判断する能力を身に付けている」ということです。例えば、完熟していても「酸味の強いレモン」を小鳥達がかじることは無いですし、「農薬を散布していない(安全な)果実や野菜」ばかりが見事に狙われます。
では「我々、人間は?」と言えば、「食品添加物等の影響」や「見かけの良さだけで判断する価値観」等が原因で、本来、人間がより良く生きるための「能力」として備わっているはずの、大切な五感のひとつ「味覚」がどんどん衰退しているように思うのは私だけでしょうか?
私が子供の頃(40年前)には、今のような「賞味期限」表示は無く、ウチの祖母は、表面にカビの浮いた祖母手作りの自家製味噌でも、カビだけ除いて使っていましたし、多少時間の経過した牛乳は沸かして飲んだり、カレーに入れたりして工夫していました。逆に、私が食べようとした物でも、まず、祖母が味見したり、変色具合を見て「これは、味が変化してるから止めなさい」と言われたこともありましたし「自分の舌が価値基準であること(自分の味覚を信じること)」を祖母から学びました。
海外で盗難に遭い、警察に行けば「盗まれた貴方が悪いんだよ」と言われます。つまり「何でも最後は自己責任なのだ」ということを海外生活で学びましたが、過去に一度食べた物を 取り出すことは出来ないという点で「食の履歴も自己責任」だと思います。「食べた貴方が悪いんだよ」と言われないように、将来のあるお子さん達には、「正しい食」を通して、自分の「味覚」を磨き、大切にしていって欲しいですね。それが、「より良い生き方」へのヒントになると思いますので。

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2008年09月05日 19:22に投稿されたエントリーのページです。

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