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2007年07月 アーカイブ

2007年07月01日

辻静雄先生の思い出

中学3年生の時に見た「料理天国」がきっかけで、辻調理師専門学校に行くことを決め、中学卒業直前に大阪の本校から入学案内を取り寄せました。
そこには、フランス政府から、大変な名誉であるMOF(料理界の人間国宝)を日本人として初めて授与された辻静雄校長先生の3つのお言葉が有り、とても感銘を受けました。
「フレンチを目指すなら、まず、語学。原書が読めれば、メニューは無限に広がります。」
「単なる職人ではなく、限られた制約の中で、最大限にお客様に喜んで頂けるよう、経営感覚を身に付け、数字に強くなりなさい。」
「仕事以外の時間は、一社会人としての教養を身に付けなさい。」
どこにも、「今、すぐに入学しなさい。」と書いて無いのです。気持ちは、すでに大阪でしたので、肩透かしを食ったような感じでしたが、何度も読み返すうちに、辻先生のお言葉ならば、間違えは無いだろうと考え、明治学院大学で、経営を専攻し、アテネフランセでは、フランス語を習得してから大阪に向かいました。しかし、大卒は、2%位しかおらず、クラスメイトは皆、4才以上年下でした。
写真は、辻調理師学校の卒業式で、ボク一人だけ、首席ということで、辻先生から直接、卒業証書を頂いた、感動の瞬間です。

美味しさは、世界共通

例えば、「パリで食べたフレンチは、塩味が強かったです」とか、「中国で食べた中華料理は、あまり美味しくなかったです」等々の感想を、お客様から伺うことが有ります。
確かに、日本のレストランで食べる料理は、どんなジャンルでも、レベルか゛高く、殆どハズレは無いですが、ボクの世界70カ国以上を食べ歩いた経験から言いますと、海外では、お店によって、かなりレベルに差が有るのは事実です。本場のフレンチでも、イタリアンでも、中華でも、地元の人々で賑わっているお店は、我々、日本人が食べても美味しいと思える味ですので、初めての土地でしたら、地元の人にお薦めのお店を聞くのが良いと思います。
昨年、世界のメディアが集まる、有楽町の外国特派員教会で、各国の記者の方々に、コグレ流創作料理を披露させて頂いたことが有ります。
野菜を30種類使ったヘルシー料理は、とても評判良く、改めて、「美味しさに国境は無い」と思いました。

やって出来ないことは無い

10年程前の事です。雑誌でボクを知ったと言う、佐渡が島のホテルオーナーから、こんな依頼が有りました。
「今度、結婚式を挙げられるお客様から、都会に負けない、記念に残る素晴らしい料理を出して欲しいと言われ、今の調理スタッフでは、自信が無いので、力を貸して貰えないでしょうか?」と。
かなり、切羽詰まっているようでしたので、すぐに下見に伺いました。それで分かったことは、人数は、150名、当日は、別の宴会も有るため、プロのヘルプは無理等など。
いつも、たった一人で全国に伺っていますので、普通なら、不可能ですと断るところでしょうが、あまりにオーナーが悲痛な面持ちだったものですから、「やれます!任せて下さい。」と即答してしまいました。
帰りの船の中では、「なんて無謀な返事をしてしまったのだろう」と、自己嫌悪に陥りましたが、新潟駅から新幹線に乗り換える頃には、「絶対に成功させてみせるぞ!」と前向きな気持ちに変わっていました。
万全の準備に一週間以上かけ、当日の助っ人は、普段、部屋掃除等をしているおばちゃん達でしたが、ボクの緊張感を感じ取って頂き、本当に良く動いてもらいました。
披露宴は、大成功で、その模様は、夕方のフジテレビ系のニュースと、産経新聞でも紹介されました。

2007年07月02日

美味しいトマトソースを作るコツ

これからの時期、完熟したトマトが八百屋さんに沢山並びますが、美味しいトマトソースを作るコツを少し。基本的には、刻んだトマトとオリーブオイルを煮込めば出来るのですが、味は、オリーブオイルの質で決まります。しかし、家庭料理で毎回、上質のオリーブオイルを使うのは予算的に大変だと言う方には、裏ワザが有ります。まず、刻んだ玉葱とニンニク、トマトを、身近で手に入るオリーブオイルで良く炒めます。そこに、みりんとお酢を少々加えるのがポイントなのです。みりんでコクを、お酢でトマトの風味を増します。今日は、トマトソースに長野の生産者の方から頂いたシメジと小海老を加えて、ペンネに絡めてみました。


トルコ親善大使

仕事で、世界中を飛び周っていますが、何度伺っても魅力的な国の1つにトルコが有ります。
皆様は、トルコ料理が世界3大料理の1つであることをご存知ですか?理由は?と言えば、1つの国の中にヨーロッパとアジアが有り、各地に素晴らしい郷土料理が沢山有る事でしょうか。お米が日本の物に近く、サッパリと食べ易いんですね。トルコ人は、親日家としても知られ、とてもフレンドリーです。
トルコでは、地中海沿岸で、上質のオリーブオイルやへーゼルナッツが生産されており、その普及活動をトルコ輸出協会等から何度か依頼され、現地や日本で、プレスや一般向けに講演しています。
写真は、4年前、幕張での、世界の食のイベントでの講演シーンですが、同時通訳が、英語、トルコ語、フランス語、スペイン語、イタリア語の5カ国語で有り、凄く有名人になったような不思議な気分でした。

2007年07月03日

100円の料理ビデオ

数年前に、100円ショップ・ダイソーからビデオ製作のお話を頂きました。初めは「エッ!ボクの価値は100円なの?」と、戸惑いましたが、ダイソーと言えば、全国にショップが有り、知らない人はいませんので、ボクの名前を多くの方々に知って頂くにはいいかなと思い、快諾致しました。全10巻のシリーズなのですが、時間が無く、1日で撮影というハードスケジュールをこなしました。
お蔭様で、ビデオは完売し、嬉しいような恥ずかしいような気分ですね。

2007年07月05日

新潟・燕市の素晴らしい朝市

宝飾の展示会のお持て成しのお料理を作らせて頂く為に、燕市に伺ったのですが、御食事会場の近くに、地元の新鮮な食材が揃う朝市が有り、その素晴らしさに、思わず、仕込みをするのも忘れ、隅から隅まで見入ってしまいました。
まさしく、地産地消を実践されている地元の方々は、本当の意味での、豊かな生活をされているんだなぁと羨ましく思いました。皆さん、とても優しく、笑顔が暖かいのです。
ボクも、気が付くと、ダンボール箱一杯の野菜を買い込み、すぐに宅急便でウチに送っていました。
素晴らしい食材を見ると、創作意欲が沸いてきますね!益々、野菜料理のレパートリーが増えそうで、嬉しいです。

山形の見事なサクランボ

燕市でお料理をしていましたら、あるお客様が「ウチの実家のサクランボを味見してみて下さい」と直径1.5センチは有る、見事なサクランボを差し入れて下さいました。ひとつ食べて、もう、びっくり!凄く美味しいのです。
ここまで、素晴らしいサクランボを作って下さる生産者の方々には、本当に感謝したいですし、そのご苦労は、大変なものだと思います。
世界的にみても、日本ほど、美味しさ、見た目の美しさという点で、優れた果物の有る国は有りません。
ボクは、日本の果物農家の皆さんの応援団になりますので、これからも、頑張って下さい。

2007年07月06日

高校生向け進路ガイダンス

先日、川崎市の高校より、フードビジネス希望者の生徒さん達にアドバイスを頼まれ、2時間程、経験談をお話させて頂きました。
人生経験、社会経験の少ない生徒さん達に飽きずに聞いてもらうにはコツが有ります。まずは、子供達の目線に合わせ、10代の頃、自分は何を考えていたのか、どれだけ多くのコンプレックスを持っていたのか、どんな失敗をしてきたのか、挫折からどのように立ち上って来たのか、いきなり成功したのではない、色々な方々の助けが有って、遠回りしながら少しずつ目標に近づいて行くプロセスを実況中継するようにお話します。決して難しい専門用語は使いません。
一番、生徒さん達が興味を持つ話題は、修業時代に国内のレストランで受けたいじめ、嫌がらせからの克服方法ですね。「いじめは、大人の世界でも有るんだよ。だから、そんなつまらない、嫌な奴の事なんて気にしないで、自分の夢に向かって頑張ろう!海外に出ればよく分かるけれど、最後は、全て自己責任なんだから。周りに誰がいようと関係ないよ。」と励ましますと、子供達の目が輝いてくるのが分かります。
いつまでも、将来の有る子供達の良いお手本でいられるように、ボク自身も益々、日々、精進したいと思います。

高校生の七夕への想い

先日伺った高校に見事な七夕飾りが有り、生徒さん達の飾らぬ想いが書かれていましたので、思わず、見入ってしまいました。
一番多かったのは、「給料が沢山欲しい!」でした。ボクが彦星でしたら、「社会で成功するには、何でも出来る高校時代の貴重な時間を大切にして、目標をしっかり定め、良い友達を沢山作って、楽しく勉強しようよ。」とアドバイスしますね。
可愛らしいものでは「ソフトクリームをいっぱい食べられますように」というのが有りました。コグレ彦星としては「あなたのような方がジェラートショップを開いたら成功間違い無しですよ。」と。料理人にしても、ケーキ職人にしても、資質の第一は「食い意地が張っていること」ですから。
少し気になったのが「ストレスがたまらないように」という短冊でした。どんなストレスなのでしょうか?
勉強の事?人間関係?自分の殻に閉じこもらずに、人生経験豊富な大人にどんどん相談したらいいのです。大人も皆、何度も高い壁にぶち当たり、知恵を絞って協力し合いながら、ストレスを跳ね返しながら、一生懸命に生きているのですから。
ボクのアドバイスが役に立つのなら、遠慮せずにメールで相談して下さいね。「皆、頑張れ!」ボクは、キミ達の応援団長なのですから。

2007年07月08日

シンプルで美味しいサラダ

毎日食べても飽きない、シンプルなサラダのご紹介です。
サニーレタスは、食べ易い大きさに手でちぎり、3分位、冷水に漬けたら、水分を切り、冷蔵庫で2時間以上冷やします。こうすることで、パリッとした美味しいレタスになります。ポイントは、決して、水に漬け過ぎないことです。
ドレッシングは、上質のバージンオリーブオイルとバルサミコ酢を3対1の割合で合わせるだけです。
そこに、ミネラルたっぷりの、精製度の低い天然塩を混ぜておけば、完璧ですね。
今回は、歯ごたえのアクセントに、玄米フレークを散らしてみました。あとは、お好みでトマトや胡瓜、ツナ等をトッピングすれば、サラダのバリエーションが無限に広がります。

イタリア風明太子パスタ

明太子パスタには、色々な作り方が有りますが、ボクが一番好きな、シンプルで美味しく、失敗の無いレシピをご紹介致します。
まず、明太子を包丁でほぐし、2割増し程度のバージンオリーブオイルと、お好みで白胡麻等を加え、混ぜておきます。
麺が湯がけたら、熱いうちに明太子入りオリーブオイルを加えて、混ぜるだけです。
ポイントは、魚卵を使うわけですから、卵を使うカルボナーラと同様に、直火にかけずに、余熱でトロッと仕上げることでしょうか。
今回は、九州のお客様から頂いた、とても美味しい明太子を使い、仕上げにボイルしたシメジを加えました。白ワインにも焼酎にも合う一品です。


アンチエイジングにピッタリの一品 (2)

青森のお客様から見事な帆立貝と海老を頂き、トマトと胡瓜、パプリカ、白胡麻等を使って、美肌効果の有る前菜を作ってみました。帆立貝と海老、パプリカ、胡瓜は、サッとボイルしてあります。
帆立貝、海老には、肝臓を強化させるタウリンが、トマト、パプリカ、胡麻には、坑酸化力・免疫力を高めるベータカロチンやリコペン成分等が含まれており、ソースとしてバージンオリーブオイルをかけることで、その吸収力が高まります。
暑さで食欲の落ちる時期だからこそ、旬の体に良い物をしっかり食べて、内面から健康になりましょう。


2007年07月09日

オリーブオイルのテイスティング方法

最近、身近に各国のオリーブオイルが手に入るようになり、様々なテイストを味わえるようになってきましたので、正しいテイスティング方法をご紹介致します。
オイルは、色が分かるように、透明のグラスに入れ、紙などでふたをして、手のぬくもりで温めます。
そうすることで、香りが立ち、識別し易くなるのです。
まずは、色を見て、香りを確認し、飲んでみます。のど越しの柔らかい物、ピリッとスパイシーな物、フルーティーな物、色々有りますが、その違いは、オリーブの種類や完熟の度合いに拠ります。
テイスティングの種類が多い時には、りんごを食べたり、水を飲んで、口の中をリセットします。パンに付けて味わうのも良い方法です。
皆さんも、お気に入りのオイルを探してみては如何でしょうか?

2007年07月10日

世界一楽しい国・モロッコ

モロッコは、意外性という点で、とても魅力的な国です。特に、フェズのエルバリ地区には、1000年以上も前に建設された街並みと生活が残っており、複雑な迷路は、まるで、タイムスリップしたテーマパークのようです。歩けば歩くほど、その活気や楽しさにどんどん惹き込まれて行くのが分かります。
例えば、家具屋さんの隣りでは、丸太を切って家具を作っていたり、金物屋さんの隣りでは、鉄板を叩いていたり、卵屋さんの隣りには、鶏小屋があったりします。圧巻は、革のなめし場の脇に並ぶ、染色桶の作業場でしょうか。沢山の人々が、中世そのままに手仕事で革を染め付けているのですが、とにかく、臭いが強烈なのです。しかし、生活の知恵でしょうか、ミントを鼻に近づけていると、臭わないから不思議です。ちなみに、この辺は、ミントも沢山採れ、ミントティーを良く飲みます。自然の摂理は凄いなぁと思いますね。

2007年07月11日

モロッコの食文化

モロッコで代表的な料理と言えば、タジンですね。それは、基本的に煮込み料理なのですが、調理法は独特で、厚い陶製の皿に材料を入れ、三角帽子のような皿と同質の陶器をかぶせて火にかけるのです。中身は、チキン、羊肉がメインで、じゃが芋、人参、玉葱も加え、サフラン、パプリカ等のスパイスで味付けします。クスクスという粗粒状の小麦も入れると、かなりのボリュームになりますが、色々な味の染み込んだクスクスは、とても美味しいです。
ちなみに、モロッコは、イスラム圏ですので、ポークは絶対に食べません。アルコールも限られた場所でしか飲めませんが、我々、外国人には、それほど厳しくはありませんので、レストラン等では、アルコールの持ちこみが許される事が多いです。


2007年07月12日

オリーブオイルのコレクション

世界中のオリーブ園を周って集めたオリーブオイルが、ウチのキッチンに何種類位有るのか、カウントしてみました。勿論、すぐに使ってしまった物も沢山有りますが、現時点で、80種類以上は在庫していました。その中には、実際にオリーブ園に行かなくては貰えない、貴重なミニボトルも多数有りますし、苦労して集めた一本ずつに、思い出がぎっしり詰まっている気がします。
その国別の内訳は?と言いますと、スペイン、フランス、イタリアの物が圧倒的に多く、珍しい物では、ペルー、トルコ、モロッコ、チュニジア、シリア、ヨルダン、エジプト、マルタ、ギリシャ、ポルトガル、オーストラリア、クロアチア、南アフリカ等のオイルが有ります。
どれにも愛着が有り、簡単には使えないので、これから、コレクションはもっと増えていきそうですね。
いずれは、オリーブオイル博物館を創りたいと思っています。

NHK「いっと6けん」の収録風景

先日、ウチのスタジオにて、8月22日放送予定のNHKの番組「いっと6けん」の収録が有りました。
テーマは、「オリーブオイル」でして、ウチの庭のオリーブの木に成っている実をご紹介したり、オリーブオイルとお醤油の相性の良さを表現した和風のお料理を2品作らせて頂きました。
ボクのコレクションの中から、代表的なオリーブオイルを何品か選び、熊崎アナにテイスティングもして頂きましたが、それぞれに味や香りの違いが有り、とても奥が深い事を分かって頂けたようで、収録後には、カメラマンさんを初め、スタッフの皆さんと味見をし、美味しいオリーブオイルや料理の話題で盛り上がりました。撮影スタッフの皆さん、長い時間、本当に有難う御座いました。放送を楽しみにしています。


2007年07月13日

南房総市の素晴らしい「道の駅」

先日、全線開通した、千葉・館山道の鋸南富山インター近くに有る道の駅「富楽里(ふらり)」には、いつでも、素晴らしい農・水産物が良心的な値段で揃っており、多くの人々で賑わっています。良い品揃えやスタッフの方々のやる気、創意工夫が、お店の勢いに繋がり、お客様を呼び込むオーラさえも感じられるのは、ボクだけではないと思います。
今日も富山中学校の食育講演会の前に立ち寄り、玄米や野菜、海藻類を沢山買い込みました。昼食は2階のレストランで地魚の煮付け定食を頂きましたが、これがまた美味しくて、大満足でした。
是非、皆さんも房総方面にドライブされる時には、立ち寄ってみて下さい。楽しいですよ。

南房総市の食育講演会

日頃から、積極的に食育活動を実行されている富山中学校に伺い、生徒さん全員とPTAの親御さんを対象に、食育の講演会をさせて頂きました。NHKのカメラも入っていましたが、生徒さん達は、とても真剣にボクの話を聴いて下さり、その素直な姿勢に感激致しました。将来的に、ボクの話が皆さんのお役に立つならば、こんなに嬉しいことは有りませんね。「みんな、体に良い物をしっかり食べて、頑張ってね!」って、出来る限りのエールを贈りたくなりますね。
今日は、地元の野菜を沢山、用意して頂き、地元の天然塩と、コグレお薦めのシシリアのオリーブオイルをかけて、試食して頂きました。普段は、野菜嫌いな生徒さんも、今回は、喜んで食べて下さり、とても良かったです。
まだまだ、皆さんにお話したいことは、沢山有りますので、是非、また、呼んで下さいね。

2007年07月14日

生で美味しい、とうもろこし

ボクを含め、大抵のプロの料理人は、野菜の質を生のまま食べて判断します。オクラ、ブロッコリー、カリフラワー、ズッキーニ等、殆どの野菜を生で食べてきましたが、とうもろこしだけは、生食したことがありませんでした。
ところが、昨日、講演会で南房総市に伺った時に、生で食べて美味しいと言う、とうもろこしを頂いたのです。
ウチに戻り、早速、食べてみましたが、これが本当に甘くて美味しいのです。以前、九州で朝堀りの竹の子を生で頂き、その美味しさにびっくりしましたが、その時以来の感動ですね。
旬の物、採りたての物を頂く幸せを実感致しました。生産者の皆様、有難う御座いました。


2007年07月15日

京都の見事な加茂茄子

京都のお客様から、今年も素晴らしい加茂茄子を送って頂きました。
この茄子は、皮もしっかりとしたソフトボール型で、味わい深く、身がしっかりしているので、煮崩れることもありません。京野菜の伝統、奥深さが一番良く分かる野菜ではないでしょうか。旬の冬瓜と一緒に作る煮物は、温かくしても冷たくしても美味しい一品で、夏バテ防止、アンチエイジングにもピッタリです。
シンプルに素揚げして、お味噌を付けて食べても美味しいですね。今日は、オリーブオイルと塩だけを振り、220度のオーブンで香ばしく焼いてみました。茄子の旨味を引き出すコツは、写真のように、しっかりと焼き色を付けることです。このまま、何も付けずに食べてみましたが、オリーブオイルが茄子の旨味を充分に引き出してくれており、本当に甘くて美味しかったです。
いつでも、素晴らしい食材に出会うと、そのオーラに創作意欲が沸き、嬉しくなります。自然の恵み、生産者の方々へ、感謝の気持ちでいっぱいです。

2007年07月18日

コグレ農園の木苺

我が農園には、4月に実が成る普通の苺、5月に実が成るフランボワーズ、そして、これから熟す木苺、ブルーベリー、カシス(すぐり)等のベリー類が有ります。これらは、そのまま食べても美味しいですが、シャンパンに浮べて飲むのもオシャレです。映画「プリティーウーマン」の世界ですね。
写真は、赤味をおびてきた木苺なのですが、もう少し、深紫色に熟した頃が食べ時です。

コグレ農園のレモン

イタリア・シシリアから持って来たレモン、オレンジの木も10本以上有りますが、写真の大きなレモンは、2年越しで、まだまだ成長しています。今年も、5月に白い花が咲き、そこから小さな実も成り始めていますが、先輩レモンには頑張って、もっと大きくなって欲しいですね。
オリーブオイルとレモンの絞り汁の相性は抜群で、白身のお刺身に軽く塩を振り、オリーブオイルをかけてレモンを絞れば、高級レストランで出て来るような「カルパッチョ」になります。
素材が良ければ、シンプルで美味しい料理が簡単に出来ますので、皆さんも参考にしてみて下さいね。

コグレ農園のオリーブの実

5月に可愛らしい花が咲いていたオリーブの木ですが、ふと気が付くと、グリーンの実が成り始めていました。まだ小さいですが、これから赤味をおびて黒くなってゆきます。
微量成分の多い、良いオリーブオイルを絞るには、実がグリーンのうちに収穫しますが、かなりの量が無いとオイルは絞れません。ウチの木は、まだ若いので、沢山の実が成るまでには、あと数年はかかりそうです。それまでは、実を浅漬けにして、大切に食べたいと思っています。

2007年07月21日

屋久島・縄文杉から学ぶ事

2年前に世界遺産の縄文杉登山に兆戦致しました。樹齢は、2000年とも7000年とも言われていまして、屋久島に入る前までは、「さぞかし温暖で恵まれた環境の中で、何のストレスも無く、ぬくぬくと生きてきたんだろうな」と勝手に推測していましたが、実際は、全く逆でした。
ボクは、あえて、登山者の少ない2月を選んだのですが、雪の降るとても寒い日で、想像以上に過酷な環境でした。夏には、台風も多く、時には、落雷で、枝が裂けてしまうこともあったでしょうし、そんな中で、縄文杉は、じっと逆境に耐え、したたかに少しずつ成長してきたのだと思います。
世界遺産は、各国に沢山有りますが、その殆どは、建造物の遺跡です。その点、縄文杉は、数千年間生き続けている、命が有るのですから、これは、凄いことです。人生は、たかだか100年位ですが、その生き方という点で、縄文杉から教えてもらうことは本当に沢山有ると思います。子供達への講演では、このお話をよく致しますが、とても興味を持って聴いてくれます。

屋久島の地産地消

半日かけて、やっと辿り着いた縄文杉のすぐ近くに、恐らく何千年も縄文杉を支えて来たであろう、命の涌き水が有りました。思わず、手を差し出し、飲んでみましたが、もう、気絶しそうな位、美味しく感じました。空のペットボトルを持参していましたので、有難く頂き、宿に戻るとすぐに、幻と言われている地元の焼酎・三岳を注いで、飲んでみましたが、これがまた、最高で、天にも昇る気分を味わえました。
食材でも何でも、地元の物同士の組み合わせは、喧嘩しない、良い相性だと言いますが、この水割りこそ、生命力の有る、究極の地産地消ではないでしょうか?
環境保全に取り組んでいらっしゃる、地元の方々の日々の努力にも感謝したいと思いますし、いつまでも、この素晴らしい自然を残さねばならないと実感致しました。

2007年07月27日

福山(広島)の素敵な御客様

先日、宝飾展示会のお持て成しのお料理を作りに、福山に伺いました。沢山の御客様にお越し頂き、お野菜中心のヘルシーなメニューはとても好評でした。梅雨も明け、かなり暑い日でしたが、お一人、着物姿で涼しげな御客様がいらして、ご挨拶に出ますと、ハンガリーから2年前にこちらに嫁いでいらしたとのこと。日本語が大変巧く、日本人以上に日本の心を理解されており、とても感動致しました。
ハンガリーは、見所も多く、素晴らしい国です。ブタペストでドナウ川のナイトクルーズを経験したら、もう
夢の世界にいるようで、しばらく、その場を離れたくなくなります。
我々日本人は、海外からの御客様に、日本は魅力的な国だと感じて頂けるように、食の部分も含めて、もっと我が国の文化に誇りを持ち、受け継いで行かなければならないと、改めて感じました。

2007年07月30日

美味しい玄米の炊き方

玄米は圧力釜でないと炊けないと思っていらっしゃる方もいますが、普通の炊飯器でも美味しく炊くことが出来ます。
ポイントは、水の量を玄米の5割増しにすることだけです。例えば、玄米が2カップであれば、3カップの水を入れればよいのです。
あとは、色々、アレンジ出来ますが、ボクの場合は、古代米と言われている、黒米、赤米や雑穀類も加えます。古代米には、物凄いエネルギーが含まれていまして、炊き上がりも綺麗な赤紫色になります。
写真は、予め煮ておいた金平牛蒡とヒジキを加えて炊いた物です。
このご飯は、とても美味しく、仕事で出る時にも、おにぎりにして持参しますが、毎日食べても飽きないですね。

2007年07月31日

憧れの千代田スタジオでTV撮影

先日、テレビ番組の撮影で、北の丸公園内に有る千代田スタジオに伺いました。
なぜ、憧れの場所かと言いますと、ボクが料理人を目指すきっかけとなった「料理天国(6月30日のブログをご覧下さい)」という料理番組の撮影が20数年前に行われていた、伝統の有るスタジオでして、ボクが尊敬する辻調理師学校の先生方が、毎週、華麗な料理を披露されていた、いわば、「料理界の甲子園」とも言うべき聖地なのです。
23年前に生徒として見学させて頂いた時には、「ボクも将来は、一流になって、こんなスタジオに呼ばれるようになりたいなぁ」と思っていましたので、それが、実現出来て、感無量でした。
かつて、芳村真理さんや西川きよし、龍虎さん達がメークしていた部屋を見つけ、僕もメークして頂きましたが、嬉しいような恥ずかしいような気分でした。

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