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2007年11月 アーカイブ

2007年11月01日

感動のライン川クルーズ

広大なブドウ畑や風情ある古城を見ながら進むライン川クルーズは、以前からの夢でしたが、今回、実現する事が出来ました。
2時間ほどの行程でしたが、どこまでも続くブドウ畑は圧巻で、所々に見える古城やお洒落な民家とのコントラストも素晴らしく、感動の連続でした。
「このまま時間が止まればいいのになぁ」と幸福感に浸っていましたら、近くにいた団体日本人客のおじさんが一言。「なんや、これ。ハウステンボスの真似やないかぁ!」これには、笑ってしまいましたが、テーマパークと間違えるほど素晴らしいということですね(笑)


2007年11月04日

ハイデルベルク城の巨大ワイン樽

南ドイツのハイデルベルク城に「世界最大級のワイン樽」が有ると聞き、見に行きました。
ハイデルベルクと言えば、ゲーテやショパン、シューマン等、多くの詩人や芸術家に愛された町であり、この町から多くの芸術作品が生み出されています。
レンガ色の建物が並ぶ旧市街を歩いてみましたが、なんともロマンティックな風情があり、14世紀に創立された、ドイツ最古のハイデルベルク大学周辺の学生街は、若者のエネルギーに満ち溢れていて、「この雰囲気は、今も昔も変わっていないのだろうなぁ。」と思いました。
旧市街から小高い山の上に目を移しますと、堂々としたハイデルベルク城がそびえており、一部改修工事をしているものの、その美しさに感動致しました。
巨大なワイン樽は、地下室に有りましたが、13-14紀頃に戻れるならば、この樽で熟成されたワインを味わいながら、当時の学生さん達と語り合いたい気分になりました。

ハイデルベルクの御洒落なお店

ハイデルベルクの旧市街を歩いていますと、歴史を感じさせる建物の中に御洒落なレストランや居酒屋をあちこちで見かけることが出来ます。
時間的に全てのお店に入り、味見することは出来ませんでしたが、「外観だけでも」と、写真だけは撮りまくりました。そして、気が付きました。「良いお店の雰囲気とは?」その大部分は、ひとりひとりの御客さん自身が醸し出すものだなと。
ボクが自然にカメラを向けたくなるお店の中には、必ず楽しげな御客さん達の姿が有り、温かい空気が流れている感じがしました。



2007年11月07日

ドイツビールのお話

ドイツ国民ひとり当りのビール年間消費量を聞いて驚きました。「350mlの缶ビールで換算すると460本以上」と言いますから、もう水代わりですよね。確かに、現地のスーパー等では、水よりもビールの方が安いですし、美味しい地ビールが沢山有ります。日本と違い、ドイツでは、昔からの習慣で、「アサヒ、キリン、サッポロ」のような全国統一ビールメーカーは無く、ローカルビア、いわゆる地ビールが中心なので、伺った土地ごとに違う銘柄の、新鮮な出来たてのビールを楽しむことが出来ます。
ボクが特に好きなのは、ウ゛ァイツェンビールという、小麦(ビール麦)を原料とした白っぽい色合いのビールでして、喉越しの爽快感がたまらなくいいのです。ちなみに、ドイツビールの基本素材は、大麦(ビール麦)、ホップ、酵母、水と法律で決められています。その理由を聞きましたら「悪質なビール業者が色々な添加物を入れて質の悪いビールを製造するのを禁止するため」だそうで、いかにもビールを愛するドイツ人らしいなぁと感銘を受けました。
「なるほど!」と感心したことが、もうひとつ有るのですが、「地球環境、エコロジー問題」に対する意識が高いドイツ人らしく「空き缶のデポジット(預り金)制度」を採用しているのです。これは、缶ビール購入時に缶代(サイズにより40-80円)を含めた料金を支払い、使用後の空き缶を購入した店舗に戻すことで返金されるシステムです。
このブログを書いていましたら、またビールを飲みたくなってきました(笑)写真は、きめ細かい泡立ちのウ゛ァイツェンビールと、その土地ならではのオリジナルコースターの一部です。


中日ドラゴンズ・中村紀洋選手から学ぶこと

南ドイツのレポートは、まだ続きますが、ここで一休みさせて頂き、国内の話題で書かせて頂きます。
プロ野球・日本シリーズは、ドラゴンズの優勝で幕を閉じましたが、最高殊勲選手(MVP)に選ばれたのは、昨年、オリックスからリストラされ、獲得球団も全く無く、たったひとりでキャンプを過ごし、3月になって、やっと中日が救いの手を差し伸べてくれ、それまでの年俸の50分の1の400万円でテスト生・育成選手(2軍のみプレー可能で背番号は205)からスタートした中村紀洋選手でした。
数年前、近鉄時代の中村選手にお会いしたことがありますが、その時には、金髪の長髪で、物怖じしないボクでさえも、「高圧的な、近寄り難い人だなぁ」と思っていました。
中日での練習初日にチームメイトから、きつく、こう言われたそうです。「おまえは、テスト生なんだから、キャリアは関係無いぞ、今までの態度は許さないから覚悟しておけよ!」と。それからの中村選手は、裏方さんがする仕事も必死にこなし、地道な努力を積み重ねて行きました。気が付くと周りの人達への感謝の気持ちから「有難う御座います」の言葉が、何度も自然に出るようになったと言います。一度、干されて、地獄を見たことで、「決して、自分ひとりの力でスターになれるわけではない」ことに気が付いたのですね。
MVPのヒーローインタビューでの、涙ながらの「有難う御座います!」の一言は、ボクの心にも染み渡りました。料理の世界でも、似たような経験が有りますが、時には、「干されたり」「下積み」も大切なんですね。
子供達への講演でも、「良い結果」だけを簡単に求めるのではなく、そこまでのプロセスを「遠回り」して実感することの大切さ、自分を支えてくれる、あらゆる人、物への感謝の気持ちを持つことと、感謝されることの醍醐味を教えて行きたいですね。

男性向けの「食育」料理教室

昨日、南房総市・健康増進課からのご依頼で、男性向けの料理教室をさせて頂きました。
皆さん、手際が良く、後片付けまで御見事だったものですから、「普段から家事をしているのですか?」とお聞きしましたら、「しているのでなく、させられているのです(笑)」と多くの方がおっしゃっていました。
しかし、ボクから見ましたら「好きこそ、物の上手なれ」で、皆さん、本当に楽しそうに調理をされており、試食タイムも料理の話題と質問で、女性向けの教室以上に、かなり盛り上がりました。
これからは、男性も家庭で料理を作ることが大切な時代だと、つくづく思いますね。


2007年11月15日

富岡製糸場と明治時代のワインのお話

先月、食育の講演で群馬・富岡市に伺った際に、ユネスコ世界遺産暫定リストに登載された「富岡製糸場」の見学もして来ました。
日本の木造建築と西欧のレンガ造りを取り入れた「木骨レンガ造り」の建築は、ほぼ明治初期のまま良好な状態で保存されており、当時にタイムスリップしたような気分で、とても興味深く見学することが出来ました。
ひとつ、面白いエピソードを聞いたのですが、開業当初は、度々、工女募集の通達を出しても、予定通りの人数が集まらなかったそうです。その理由は、製糸場に入ると「外国人に生き血を取られる」というデマがまことしやかに流れていたからだそうで、フランス人指導者達が好んで飲んだ赤ワインを、どうやら生娘の「生き血」と思い込んでいたようです。
丁度、本日15日がボジョレーヌーボーの解禁日で、日本中がお祭り騒ぎ(?)になる事を考えると、感慨深いものがありますね。


ミュンヘンの楽しいビアホール

南ドイツの話題に戻りますが、ビール大国ドイツの中でも、特に、ミュンヘンは「ビールの都」として世界中に知れ渡っており、町の中心部には、多くのビアホールやビアレストランがあります。もはや、観光名所という感じで、どこのお店も昼間からバンド演奏が入り、観光客で賑わっていまして、最初は、そのパワーに圧倒されますが、慣れると、とても居心地の良い空間になります。
今回は、その中でも最も有名な「ホーフブロイハウス」を20年ぶりに訪れましたが、昔と変わらぬ雰囲気がとても懐かしく、ビールも美味しかったです。場が盛り上がると、みんな立ち上がり、何十メートルもの大きな輪になって踊り出すところも変わっていませんでした。


2007年11月19日

ボジョレーワインの帝王・デュブッフ氏

先週、解禁になった、今年のボジョレーヌーボーを皆様はお飲みになりましたか?
世界的に有名な、高品質のボジョレーワインと言えば、花が描かれたラベルの中にDuboefの文字がある、ジョルジュ・デュブッフ氏のワインでして、日本にも輸入されていますので、ご覧になったり、お飲みになった方もいらっしゃると思いますが、ボクがデュブッフ氏に初めてお会いしたのは、今から7年前、フランスのリヨンで開催された、有名シェフが集まるパーティーにご招待して頂いた時のことでした。
「帝王」と称されるだけあって、とてもオーラのある方で、包み込むような笑顔がとても素敵でした。
デュブッフ氏と並んで、ボジョレーワインを飲むことが出来たのは、ボクにとって、貴重な経験でしたし、毎年、ヌーボー(新酒)の季節になると、その時のことを思い出します。
ヌーボーは、冷やすと美味しい、軽いタイプの赤ワインですので、和食にも良く合うと思います。色々なお料理でお楽しみ下さい。

2007年11月26日

静岡・湖西市での「食育」講演会 (1)

三連休の中日である24日、大混雑の東京駅から新幹線に乗り、温暖な浜松に「食育」の講演のため、伺って来ました。主催は、浜名湖青年会議所の皆様で、事前の打ち合わせを含め、お仕事の合間に熱心にPR活動もして頂き、とても感激致しました。年齢的には、まだお若い方ばかりなのですが、地元に愛情を持ち、その活性化のために頑張っていらっしゃる姿は、本当に素晴らしいと思いました。
今回のボクの講演が、そうした皆様のお役に立てたのなら、とても嬉しいですね。

静岡・湖西市の「食育」講演会 (2)

今回の講演は、広く一般市民の皆様が、自由に参加、聴講出来るとあって、幅広い年齢層の方々にお集まり頂き、聴いて頂くことが出来ました。
熱心にメモを取られる方、相槌を打ちながら聴いて下さる方、ジョークには、本当に楽しそうに笑って下さる方、そうした沢山の皆さんと時間、空間を共有出来るボクは本当に幸せ者だと思いますし、「食」を天職として頑張って来て良かったなぁとつくづく思います。
最後の質問コーナーでは、30代の女性から「ウチの子供は、母親の作る料理より外食の方が美味しいと言いますが、どうしたらよいでしょうか?」という、かなり切羽詰まったご質問が有りました。ボクは即答しました。「テクニックでは、外食にかなわなくとも、例え一つのおにぎりでもいいです、心を込めて下さいね」と。家庭料理の良さは、食べ手の顔が見えることなのですから、愛情を込めれば、必ずや美味しく出来るはずなのです。それでもダメなら・・・・・「ボクを料理教室の講師として呼んで下さいね(笑)」

2007年11月28日

千葉・八千代市での「食育」講演会

今月21日には、地元八千代市の中学校を会場に、小学校4校、中学校2校の合同研修会があり、200名以上の親御さん達の前で「食育」の講演をさせて頂きました。
みなさん、子育ての現役ということで、寒い中、熱心に聴いて頂き、感激致しました。特に、90分間の講演後にグループごとに分かれて行われた分科会(意見交換会)では、具体的な悩み、ご質問が多く寄せられ、みなさんが日々、子育てに苦労していらっしゃる様子を改めて知ることが出来て、ボク自身も勉強になりました。壁にぶち当たったり、悩んでいるのは、思春期の子供達ばかりでなく、親御さん達もそれ以上に大変な思いをされており、私のアドバイスが解決のヒントになるようでしたら、こんなに嬉しいことはありません。
今回は、地元ということで、予想通り、自分自身の小・中学校時代の同級生の方、数人と30数年ぶりに再会することも出来ました。いずれ、同窓会が出来たらいいなと思います。
役員の皆様方には、打ち合わせのために、数ヶ月も前から、私のスタジオに来て頂いたり、完璧な準備をして頂き、感謝しております。今回は、時間の関係で、全てのみなさんのご質問に答えることが出来ませんでしたので、是非、第二弾の講演会、お料理教室を企画して頂けたら光栄です。


静岡・河津町での「食育」講演会 (1)

今月20日に、豊かな自然に囲まれた静岡・河津町に伺い、「食育・地産地消の大切さ」がテーマの講演を、300名近い地元の一般市民のみなさまを対象にさせて頂きました。
会場となった小学校周辺は、素晴らしい田畑に囲まれ、近くを流れる河津川の清流のほとりには、2月に開花することで有名な河津桜の木々が紅葉しながら美しく立ち並び、散策するには絶好のロケーションでした。来年の2月になったら、必ず河津桜を見に来たいなぁと思いました。
講演会場には、地元産の元気な野菜も並べられ、こんなに見事な食材を使ってお料理出来る河津のみなさんを羨ましく思いましたが、どうも、地元のお子さん達は、その有り難味をあまり理解出来てないようで、都会の子供達と同様に「お母さんの手作り料理よりも外食が好き」という子が多いようです。
子供達が一度は都会に憧れ、「都会に進学するも良し、就職するも良し」ですが、都会の生活に疲れたり、挫折して自分を見失いかけた時には、いつでも温かく包み込んでくれる、素晴らしい「ふるさと」があることを思い出して欲しいですし、先祖代々受け継がれてきた、この素晴らしい河津の自然を、これからは、「自分達が守っていかなくてはならない」ことに、いつの日にか気付いて欲しいと思いました。
今回は、地元のテレビ局のカメラも入りましたので、少しでも多くのお子さんに私の講演番組を見て頂けたら光栄です。


静岡・河津町での「食育」講演会 (2)

河津町には、心安らぐ、本当に豊かな自然があります。講演会場に向かう途中で、稲作農家の方が、丁寧に稲穂を「掛け干し」されているのを見かけ、思わず、車を農道に止めて、シャッターを切りまくりました。干されている稲穂からも「愛情」が感じられ、さぞかし、このお米は美味しいだろうなと思いました。
決して効率主義でない、手間暇かけた昔ながらの作業を拝見しますと、その安心感からか、凄くほっとします。
夢中で稲穂の写真を撮っている私に気が付いたおじさんは「何してんだろう?」という感じで、不思議そうな顔をしていたのが、妙に面白かったです。「おじさん、今度、お米を分けて下さいね」と言えば良かったですね。
一番下の写真は、紅葉している 「河津桜」です。



静岡・河津町での「食育」講演会 (3)

河津町での講演は大好評で、私自身もとても楽しく、アッと言う間の2時間半でした。こちらに来る時には、海沿いのルートでしたので、帰り道は、天城峠を超え、沼津に出るコースを選んだのですが、その途中で、素晴らしい山葵棚を発見致しました。上方から静かに流れる湧き水は清らかで、空気までもが清涼感に包まれている感じがしました。
私、個人的に、山葵味が大好きでして、海外に長く滞在していますと、まず、恋しくなるのが、お醤油味よりも先に、山葵の香りなのです。最近は、海外でも「寿司ブーム」でして、どこにいっても、パック詰めの寿司を見かけますが、欧米では、添えられている山葵の殆どが「西洋山葵(ホースラディッシュ)」です。これは、見た目、卸し生姜のようで、ローストビーフには合いますが、繊細な寿司には合わない気がします。しかし、まぁ、無い物ねだりは出来ないわけですから、地産地消ということで、海外では、西洋山葵でも良しとしなければいけませんね。
海外から戻るといつも思います。「日本人で良かった!」と。自然の豊かな恵みを有難く頂く、感謝の気持ちだけは、常に忘れてはいけないと思っています。


2007年11月30日

「考えること」の大切さ

昨日の新聞にこんな記事がありました。「理科の実験で、結果が予想と違った場合、原因を調べようという子供は、小学生より中学生の方が少ない傾向にある」
私が、これを読んで思ったことは、「本来、好奇心旺盛で、何にでも疑問を抱き、自由に回り道していた子供の発想、勉強が、中学校に入り、受験色が強くなると、苦労して覚える過程よりも、一つの決まった結果だけをストレートに求める、効率主義に変わっていくからではないか」と。
これからの、先が見えない時代を生きてゆくうえで、最も大切なことは、「壁にぶち当たったり、想定外の状況になった時に、人とのコミュニケーションを大切にし、いかに原因や解決策を考え、正しい方向に進んでいけるか」だと思うのです。そのためには、柔軟な思考能力がある十代のうちに、じっくり時間をかけて「考える」習慣をもっと身につけるべきだと思うのですが、皆様は、どう思われますでしょうか?

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