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2008年03月 アーカイブ

2008年03月02日

伊豆・稲取温泉の「つるし雛」

伊豆・稲取温泉では、雛祭りの際、雛壇の両脇に一対のつるし飾りを飾る風習が、古く江戸時代から現在まで続いています。同じような風習は、山形・酒田や九州・柳川にもありますが、子供達の健やかな成長を願う親心は日本全国、誰しも一緒で、おそらく昔は貧しくとも、何とか端切れを集めて、一生懸命におばあちゃんやお母さんが心を込めて小さなお雛様を手作りし、狭い部屋の中、工夫しながら吊るして飾ったのが最初ではないかと思います。各家庭ごとに違う、味わい深い伝統の「つるし雛」。それらから、祖先の家族を大切にする暮らしぶり、心の豊かさが伝わってくるような気がします。
写真は沼津御用邸公園に展示されている「つるし雛」でして、4月3日まで飾られていますので、是非、多くの子供達に見せてあげたいですね。

2008年03月06日

南房総市・食育推進委員会

昨日、南房総市教育委員会にて「食育推進委員会」が開催されました。
各学校の事例報告や意見交換の後、私が「食育の動向と今後の課題」というテーマで講演させて頂きましたが、私が食育推進委員に就任させて頂いてからの1年間に、子供達の「早寝・早起き・朝食をしっかり食べる」という健康的な生活リズムが、かなり定着してきたようで、子供達の集中力が増し、全国学力テストの成績も、小・中学生共にトップグループに入るようになり、教育長様を初めとして、職員の方々や関係機関の皆様から、大変に有難い感謝のお言葉を頂き、とても嬉しく思いました。
ただ、大切な事は、これからも継続し続けることですので、今後も出来るだけ多くの子供達に接して、「熱いメッセージ」を送り続けて行きたいと思います。


2008年03月09日

Qちゃん、お疲れ様でした。

本日、北京オリンピック残り1枠をかけて、私のお客様でもある高橋尚子選手が「名古屋国際女子マラソン」に出場しました。前日の記者会見場には、300人近い報道陣が集まるフィーバーぶりで、改めてQちゃん人気の高さを実感致しましたが、結果は27位ということで、とても残念でした。
Qちゃんは、私と同じ誕生日ということもあり、すごく物の考え方や価値観が似ており、日頃から応援してきましたが、これからも変わらずに応援してゆきたいと思っています。
「似た価値観」とは?まず、山ほどあったハプニングをことごとく跳ね除け、逆境をチャンスにしてゆく逞しさ、応援してくれる(料理を食べてくれる)方々に感謝し、「我々も頑張るぞ」と思って頂けるようなパワー・元気を与えたい、恩返しがしたいという気持ちですね。
Qちゃんも初めは、「優勝したい、五輪に出たい、世界記録を出したい」と、自分を高めることだけを目標にしてきたと言います。私もそうでした。20代30代の頃は「一流の料理を学びたい、オーナーシェフとして立派なお店を持ちたい、テレビや雑誌でレギュラーを持ち、有名になりたい」と、自分を大きくすることしか考えていませんでした。そのためには、出来る限りの努力もしました。
しかし、Qちゃんも言っているように、「皆様の応援、助けがあってこそ、今の自分がある」わけですから、これからもマラソン(料理・食育)を通して、お世話になった方々への恩返し、次の世代への手助けを「夢」として、Qちゃんと共に頑張ってゆきたいですね。
Qちゃん、ゆっくり休んだら、また明るい笑顔を見せて下さいね。


2008年03月10日

南房総市・三芳での「食育」講演会 (1)

昨日、私が「食育推進委員」に任命されております南房総市・三芳にて「家庭で進める食育について考える」というテーマの講演をさせて頂きました。
会場周辺では、早朝の寒い中を役員の方々がプラカードを持って、御参加者の車の誘導・入場案内をして下さっており、思わず恐縮してしまいました。
今回は、用意した椅子が足りなくなるほど大勢の皆様にお集まり頂き、メモを取りながら真剣に聴いて下さる姿にとても感動し、当然のことながら、私の講演の方にもかなり熱が入りました。
講演後には、私の著書と世界コンテスト優勝のオリーブオイルをお求めになりたい方々が行列し、お一人ずつ感謝を込めてサインをさせて頂いたり、質問にお答え致しました。
この講演会をきっかけに、少しでも多くの「家族の団欒、手作りの美味しい食卓」に子供達の笑顔が溢れることを願っております。


南房総市・三芳での「食育」講演会 (2)

今回の講演を聴かれた方から、早速、次のようなメールを頂きました。

感想です。今日南房総市三芳の講演聞きました。
私の尊敬している方がおりまして、その方がいつもおっしゃっている事でした。そのおかげで子供が生まれてから11年、今日のお話の中のほんの一部ですが、行い続けていた事がありうん、うん、とうれしく、また続けてきたな、と自分の中で確認出来た一日でした。玄米の良さ、身近、その時に出来る野菜、朝は出来るだけ家族で。今12歳の娘はお腹すくと、自分でおにぎり、野菜いっぱいのすいとん、自分で考え作ります。これから先まだ長いですが、今まで誰かに特別言う事だとは思わず続けてきた生活ですが、今日のお話で自分の続けてきたこと気づいた日でした。包丁も3歳ころから持ちたいと言うので持たせました。手を切りましたが、止めませんでした。時期のそら豆の塩加減とっても上手です。
今日お話聞いて本当に良かったです。

(私・小暮から)
頂いたメールから、「とても暖かい家庭・家族の団欒」が想像出来て、とても嬉しく思いました。おそらく、お嬢さんも創造性豊かに、毎日、明るく元気に過ごされていることと思います。チャンスがありましたら、お嬢さんとお会いして色々とお話してみたいですし、すいとん、空豆も食べさせて頂きたいですね。
お料理作りは、必ずや学力向上にも繋がりますので、これからも頑張って下さい。応援しています。

皆様からも「我が家の食卓・食育」というテーマでのメールをお待ちしております。
宛先はkogure@kogure-t.jpまでお願い致します。

南房総市・三芳の「地産地消」

南房総市・三芳には、道の駅の中に「土のめぐみ館」という直売所があり、地元の新鮮な農産物が沢山販売されています。
私も講演会の前に立ち寄り、色々、買い込みましたが、何より嬉しいことは、生産者の安全で美味しい物を作りたいという「こだわり、情熱」が、素晴らしい農産物を通して直接伝わってくることです。
瑞々しくて力強い野菜、果物を一目見れば、それら自体に「熱いメッセージ」が込められており、言葉は要らないことがよく分かります。
午前中には、生産者の方々が自らの手で新鮮な農産物を運び込み、我々の質問にも詳しく答えて下さいます。このように「顔の分かる間柄」こそが「地産地消」の基本であり、信頼関係の証なのではないでしょうか。三芳のみかんや手作りママレードもとても美味しくお薦めですので、お立ち寄りの際には、是非、お試し下さいませ。





出張料理・最近の傾向

今までの出張料理のご依頼の多くは、「週末のプライベートなホームパーティー」がメインでしたが、最近では、「平日のビジネスランチ、またはディナー」が増えてきました。「場所は?」と言いますと、会社の会議室や食堂等で行われることが多いのですが、場合によっては、簡単な給湯室にカセットコンロを置いて調理することもあります。
会社の接待といいますと、ホテル、レストラン等のイメージが強いですが、意外性からか「会社内でのお持て成し」は、とても好評で、皆様に喜んで頂いております。写真は、先週伺いました都内での「ビジネスディナー」の会場ですが、オフィスビルの7階で、とても見晴らしが良く、ゲストの皆様も時間の過ぎるのを忘れるくらい楽しんで下さいました。
水さえあれば、全国、どこにでも伺いますので、お気軽にお問い合わせ下さいませ。

2008年03月12日

「野菜のソムリエ」とのコラボレーション

先週、「日本ベジタブル・フルーツマイスター協会」ちばコミュニティーのみなさんが、コグレクッキングスタジオのお食事会(予約制)にいらして、「地産地消」「農産物中心の健康的な食生活」といった話題を中心に、「食」にまつわる色々なお話で盛り上がりました。
特に、コミュニティーの代表を務める牧野基明さんは、船橋の名門米店の三代目で、お米のスペシャリストとして御活躍されており、日頃から「自給率アップ、お米中心の食生活」を提案し続けている私と、すぐに意気投合し、今後は、「オリーブオイルのソムリエと野菜のソムリエの共同企画」として、各地の公民館等で、講演会や料理教室を積極的に開催してゆくことになりました。とても充実した内容で、楽しく学べる教室になりそうですので、是非、皆様も時間が合いましたらご参加下さいませ。
(お問い合わせ・お申し込み)
ベジフルコミュニティちば 090-3593-0793 牧野氏までどうぞ。

2008年03月18日

新潟・エコなワイナリー

昨日、出張料理の仕事で、新潟・南魚沼市に伺いました。関越道を使い、車で移動したのですが、11kmに及ぶ関越トンネル(三国峠)を抜けた瞬間に一面の素晴らしい雪景色に遭遇し、感激致しました。と同時に、川端康成氏の名作「雪国」も、ここ越後魚沼の里が舞台だったことを思い出しました。仕事に入る前に、地球環境を考え、二酸化炭素を排出しない「雪」というクリーンエネルギーを利用した雪中貯蔵庫があることで有名な浦佐駅近くの「越後ワイナリー」に立ち寄ったのですが、とてもよいシステムだと思いますし、これからも自然にやさしい取り組みが各地で広がってほしいですね。



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三国街道塩沢宿の「雛雪見かざり」

南魚沼市・塩沢駅近くの「塩沢宿商店街」約50軒のお店では、来月3日まで、江戸時代から続く伝統的な「新旧雛飾り」の展示を一般公開していることを地元の方に教えて頂き、早速、仕事の前に見せて頂きました。商店街はとても美しく風情があり、個性的な雛飾りの数々に思わず見入ってしまいましたが、特に300年前の雛飾りの前に立った時には、感動致しました。
雪深く長い冬場に、地道に織物などの家内仕事をする母親が、その合間に、子供の健やかな成長を願い、一生懸命に手作りした、各家庭の歴史、愛情のいっぱい詰まった素晴らしい雛飾りに言葉は不要だと思いましたし、こんなに素晴らしい雛飾りを見せて下さる伝統がこれからも永遠に続くことを願わずにはいられません。稲取の「吊るし雛」もそうですが、あらためて、時代は変わっても「親が子を想う気持ち」は世界共通で普遍なものだなと思いました。



2008年03月21日

1月イタリア訪問記 (7)

しばらく間隔が開きましたが、イタリアの話題を続けさせて頂きます。
私が大好きで、とても雰囲気のある街のひとつに、トスカーナ地方の「シエナ」があります。美味しいオリーブオイルの産地としても有名ですが、今回は、お菓子のご紹介をさせて頂きたいと思います。
まずは、最初の写真「パンフォルテ」と言いますが、アーモンドやドライフルーツをふんだんに使った、とても味わい深い、伝統的なお菓子でして、お薦めの一品です。
もうひとつは「リッチャレリ」という、こちらも素朴で伝統的なアーモンドクッキーなのですが、何度食べても飽きない庶民的な味わいが素晴らしいです。
最後の写真は、「カントゥッチ」という固めのクッキーなのですが、シエナの名産「ヴァンサント」という貴腐ワインに浸して食べると最高です。
是非、皆様も機会がありましたらお試し下さいませ。


2008年03月24日

1月イタリア訪問記 (8)

イタリアのチョコレートといえば、青いラベルの「バッチ(キッスの意味)」が有名ですが
1月下旬のお菓子やさんのウインドーには、毎年、この時期限定のバレンタインバージョン
の御洒落なデザインのバッチが登場し、観光客の注目を集めています。
今年は、本物そっくりにシャンパンのボトルを模った物や、愛嬌のあるフワフワなハート型
の物まであって、つくづくイタリア人は洒落っ気に富んでいるなと感心致しました。
本当に、見ているだけで楽しくなってきますね。 

1月イタリア訪問記 (9)

世界遺産・アッシジ近くの食料品店で、凄く美味しい生ハムを見つけました。
見た目は真っ黒で、最初は何だろうかと思いましたが、手に取って良く見ますと、
周りをブラックペッパーで覆われた生ハムでした。
一口食べてみますと、ブラックペッパーの香りが程よいアクセントとなり、しかも、
地元産の赤ワインとの相性も絶妙で、病み付きになりそうな美味しさでした。
あらためて、イタリア人の美食へのこだわりが分かった気がします。
予想外に「思わぬ美味しさ」に出会った時ほど嬉しいことはありませんね。

1月イタリア訪問記 (10)

ローマと言えば「トレビの泉」ですが、いつでも、泉に背を向け、左の肩越しにコインを投げ入れる
観光客で賑わっています。「ローマに再び来たいなら1枚のコイン、恋愛を成就させたいのなら
2枚のコインを投げ入れると良い」という言い伝えが何ともロマンチックで、観光客のハートを掴
んでいるのでしょうね。
その泉が、昨年10月に真っ赤になる事件がありました。心無い人が赤インクを投げ込んだ為なの
ですが、幸い、水性インクだったために一度、水を抜き、簡単な清掃で元通りになったそうです。
お金では買えない世界遺産、地球全体の財産です、みんなで守っていかなければなりませんよね。


1月イタリア訪問記 (11)

ローマは、「ジェラート」発祥の地と言われています。
観光客が多く集まる「トレビの泉」付近にもたくさんの「ジェラートショップ」がありますが、色々なフレーバーの中に「中田スペシャル」と言うのがあるのをご存知でしょうか?
「中田」とは、サッカーチーム「ローマ」に所属していた中田選手のことですが、「その味は?」と言いますと「バニラの白いところにイチゴの赤いソースがかかっている物」を指します。
「なぜ?」お店の方に尋ねましたらサッカー・ローマチームのユニフォームの色が赤と白を使っているから」だそうです。
それにしても、引退して数年経っても名前が残っているとは凄いことですね。
あらためて中田選手の偉大な功績を思い返しましたし、この辺に来る日本人観光客が多いことも実感致しました。

1月イタリア訪問記 (12)

ローマ・スペイン広場の近くのレストランで「ピッツァ・マルゲリータ」を食べました。
ナポリと同様に、ローマのピッツァは、ふっくらモチモチしており、とても美味しいことで有名です。
日本では、同じような食感にならずに苦労しますが、大きな原因のひとつは、小麦粉の質の違い
です。「それならば」と、以前、ローマやナポリで上質の小麦粉を購入し、日本で試作してみました
が、どうも同じようにならないのです。
色々考えた結果、「水の違い」も大きいことが分かりました。イタリアは、ヨーロッパ特有の
硬水(石灰質の多い水)ですが、日本の水は軟水です。そこで「コントルX」という現地の硬水
で作りましたら、本物に近い物が出来ました。ここでも、地元の食材同士を使うという「地産地消」
の大切さを再認識致しました。「自然の摂理に逆らってはいけない」というのは、世界共通なんですね


1月イタリア訪問記 (13)

ローマ・テルミネ駅近くの老舗レストランで、久々にクラシックなイタリア料理を食べました。
「サルティンボッカ」という料理で、直訳すると「口に飛び込む(ほど美味しい)」という意味になります。
どんな料理かと言いますと、薄切りした子牛肉にセージと生ハムを乗せ、白ワインとバターで軽くソテーした物を指します。
とてもシンプルな料理ですが、材料のどれかひとつが欠けてもいけない、とても完成度の高い料理だと感心致しました。我々、プロの料理人も、流行りだけを追うのではなく、時には原点に戻り、古典的な料理を学ぶことが大切なのではないでしょうか?
前菜の盛り合わせも伝統的なローマ料理ばかりで、見た目は素朴ですが、しっかりとした味わい
で、しみじみ美味しいと思いました。



フランス修行・思い出の料理 (1)

今から23年前のフランス修行時代の思い出の料理を2品、ご紹介したいと思います。
まずは、「Poulet au vinaigre(鶏肉のヴィネガー煮込み)」です。
フランス料理の基本・エッセンスが沢山詰まっているこの料理、なぜ思い出の一品かと言います
と、勿論、修行先(リヨンの名店 メールブラジエ)の人気定番料理でもありましたが、
フランスに来て、初めて作らせてもらった賄い料理がこれだったのです。最初は、先輩方が食べる料理ということで、かなりのプレッシャーがかかり、とても緊張しましたが、シェフ(料理長)が直々に細かいポイントまで教えて下さり、何とか仕上げることが出来ました。
キッチン、ホール合わせて30人位が長テーブルを囲み、食事するのですが一瞬の静けさの後、みなさんに褒めて頂いた感激は一生忘れられません。
深夜、アパートに戻り、すぐに書き留め続けた「シェフのアドバイス」は私のバイブルとして、今でも大切にしています。
 

フランス修行・思い出の料理 (2)

フランス修行時代の思い出のもう1品は「Filet de daurade sauce vin blnc」 (真鯛のムニエル、白ワインソース)です。
このソース、微塵切りのエシャロットと白ワインを合わせて、かなり煮詰め、少し魚の出し汁を
加えてから、クリームとバターをふんだんに加えて仕上げるのですが、フランス・リヨンで初めて食べた時の感動は、忘れられません。
渡仏前に、日本でも同じソースは食べていましたが、本場の味は想像以上の美味しさ、インパクトだったのです。
作り方は同じはずなのに、「コク・酸味・まろやかさ」の全てにおいて「こんなにも違うのはなぜ?」と、ずっと疑問を抱いていましたが、やがて分かりました。素材が違うのです。
バターもクリームもフランス産は水っぽさが無く、濃厚で美味しいのです。
最近では、日本でも上質の乳製品が入手出来るようになりましたが、このソースを作る度に当時
のフランスを思い出し、初心に帰ります。



2008年03月25日

アカデミーのフレンドリーな総長先生

私もこの度は、光栄にも、総長先生のお宅にホームステイさせて頂き、行動を共にさせて頂きましたが、先生の行動力、ハードスケジュールを次々にこなしてゆくパワーには、見習うべきことが大変に多く、感動の連続でした。
まず、朝は、誰よりも早く学校に入ります。そして、子供達、一人ひとりに声を掛け、ハグしながら出迎えます。しかも、一人ひとり、その子供に合う、違った声を掛けてゆくのですから、感動致します。
朝のスキンシップによって、どれだけ子供達は、勇気付けられ、幸せな気持ちになることでしょうか。これは、凄く大切な事だと思いました。小さなお子さんを持つ、日本の親御さん、先生方にも、是非、実行して頂きたい、よい見本ではないかと思いました。



2008年03月26日

アカデミーでの朝食と読書

元気よく登校してきた子供達は、まず、図書館に行き、その日に読みたい本を探します。この図書館ですが、写真のように、開放的で、堅苦しくなく、幼稚園生から高校生まで、気軽に立ち寄って行きたくなるような雰囲気作りをしています。我国同様、アメリカでもPCの普及で、活字離れが進んでいますが、「本から心の栄養を学び取って欲しい」という学校の方針は素晴らしいと思います。
好きな本を探した子供達は、各教室に向かいますが、カフェテリア(学生食堂)は、朝から開いており、朝食を食べていない子供達は、ここで簡単な手作りの食事をすることが出来ます。
「朝食を取ることの大切さ」は、世界共通の認識なのですね。




イースター(復活祭)前のランチ風景

復活祭3連休・前日のアカデミーは、各自、手作りのケーキを持参して来たり、とても華やいだ雰囲気でした。特に、ランチタイムの学生食堂では、職員の方々が朝早くから作っていたケーキが全員に振舞われ、女子生徒達の間からは、歓声が起こっていました。
その日のランチメニューは、サラダや温野菜が中心のヘルシーな内容で、とても食べ易かったです。
下校時間が近づきますと、アカデミーの玄関前には、ローストポークのデリバリー用トラックが到着し、子供達を迎えに来たお母さん達に販売していました。一目見ただけでも、とても美味しそうで、実際に試食させて頂きましたら、バーベキューソース風味の味付けが絶妙で、思わず、「どちらのレストランですか?」と質問したのですが、意外な答えにびっくり致しました。なんと、プロではなく、アカデミーのご父兄がボランティアで作っていたのです。「自分達の子供が所属する野球部の資金援助のため」だそうですが、改めて、レベルの高さには感動致しました。
こんなに美味しいローストポークを食べながら、家族全員でのんびり過ごすイースター、素敵ですよね。




アカデミーの放課後

こちらの学校は、昼間の行事も盛り沢山ですが、放課後もかなり充実しています。
イースター3連休前のこの日、精力的な総長先生は、自ら、バスケットボールの対外試合(小学生の部)の監督として、生徒達をスクールバスに乗せ、他校の体育館に移動。19時半から開始の試合では、盛んにゲキを飛ばしながら、接戦を勝利に導きました。赤ちゃん連れの親御さんをはじめ、家族総出の応援は、とても暖かく、かなり熱が入っていましたね。その後は、喜んでいる間も無く、本校に戻り、今度は、ボランティアのご父兄と一緒に、体育館で野球部の練習・指導です。こちらも真剣で、終了したのは、22時過ぎでした。
あらゆる面で、学校とご父兄方とのチームワークが良く、「こんなに素晴らしい学校を嫌いになる子供はいないだろうな」と羨ましくも思いました。



ホームステイ先の夕食風景

アカデミーの総長先生宅の夕食風景です。先生も大変にお忙しい方ですが、お子さん達も連日、野球・バスケットボール・サッカーの練習、試合等で、帰宅時間も遅くなります。
それでも、夕食は、4人のお子さんを含めた家族6人全員が揃って食べるのですから、素晴らしいと思います。ちなみに奥様も幼稚園の先生でお忙しい方なのですが、毎晩、きちんと食事の準備もされるのですから、その集中力には感心致します。アットホームな雰囲気での食事は、本当に楽しいものですね。自分もその輪の中に入って、改めて実感致しました。
この日のメニューは、学校で購入した手作りローストポークとコーンサラダ、スパイシーポテトフライ、キャベツのマヨネーズ和え、そしてデザートは、奥様手作りのレモンパイでした。
食卓を見渡して、改めて気付いたのですが、みなさん、それぞれがお好みのソース、ドレッシングを持っており、かなりの数のボトルが並んでおりました。他人の好みに干渉しないのは、いかにもアメリカらしいですが、みなさん、ちょっと、かけ過ぎな気がします。もう少し、控え目でも、充分に美味しい食事だと思うのですが(笑)

2008年03月27日

アメリカで一番有名なレストラン (1)

復活祭の3連休には、南部カントリーミュージックで有名な街、ミズーリ州のブロンソンに、スクールバスを借り切って出掛け、生徒さん達と共に南部の食文化を、私が解説しながら、食べ歩きました。
「特に印象的だったレストランは?」と言えば、アメリカ全土から人々が殺到する超人気店「ランベルツ・カフェ」ですね。この日も、長い通路をはみ出し、外まで長蛇の列で、前日から予約しているにもかかわらず、90分待ちなのですから、本当に凄いと思います。とにかく、パフォーマンスが素晴らしいのです。1回では、書き切れませんので、何回かに分けてレポートさせて頂きますが、オーナーの肖像画からもお分かりのように、広い店内では、ロールパンか゜野球のボールのように飛び交っているのです。初めは、びっくり致しました。


アメリカで一番有名なレストラン (2)

寒い店外で90分待ち、やっと中に入りますと、そこは、メジャーリーグのスタジアムかと思うくらいの盛り上がりようでした。何しろ、ウエイター氏が広い食堂内を、焼きたてのロールパンを乗せた台車片手に動き回り、次々に手を伸ばすお客さんにパンを投げ込んで行くのです。まだメニューも開かず、座ったばかりだというのに、挨拶代わりに、我々の所にもパンが投げ込まれ、キャッチしますと、これがフワフワで温かい!料理のオーダーをする前から、その美味しさに、思わず、数個、食べてしまいます。
あとで、支配人さんに尋ねましたら、朝の9時から夜の9時まで、パンを一日中焼き続けているそうで、多い時には8000個以上になるそうです。
でも、なぜ投げるようになったのでしょう?理由を聞きましたら、30年程前からランチタイムに、お客さんが殺到するようになり、人手不足で、どうにも丁寧なサーヴィスで対応出来ない。すると、お客さんの方から、「時間が無いから、パンを投げて!」とリクエストされるようになったのがきっかけだそうです。
それからは、全米のあらゆるテレビ局の取材を受けるようになり、どんどん有名になっていったようですが、これを日本に持ち込んだらどうでしょうか?おそらく「食べ物を粗末に投げるな!」とお叱りをうけそうですよね(笑)



アメリカで一番有名なレストラン (3)

焼きたてで美味しいパンだけでもお腹いっぱいになりそうですが、料理のオーダー方法もユニークです。
まずは、メインになる物を決め、付け合せを20種類位の中から2-3品、自由に選べるのですが、中には甘いりんごのペースト等、初めて目にするメニューも多く、引率した生徒さん達からも「これは何ですか?」と、しきりに質問を受けました。正直なところ、プロの私でも想像出来ない物が多く、出て来た料理を見るのがとても楽しみでした。
オーダーして、しばらくしますと、何と大きなフライパンに盛られた巨大な料理の数々。生徒さん達からも歓声が上がっていました。


2008年03月28日

アメリカで一番有名なレストラン (4)

このお店の一番人気のメニューは、「バーベキューポーク・グリル」です。付け合せには、マッシュポテトと甘く煮た豆を選びましたが、これだけでも、かなりのボリュームでした。しかし、このほかに、ソテーしたポテトとオニオンやオクラのフライ、トマトソースで合えたマカロニ等の無料サービスもあり、ついつい食べ過ぎてしまいます。勿論、パンも手を伸ばせば、すぐに飛んできます。




アメリカで一番有名なレストラン (5)

コーラ等のドリンク類は、ビールの大ジョッキーよりも大きなオリジナルカップに入ってサーブされます。しかも、飲み放題なのですから、コストパフォーマンスという点でも素晴らしいですね。
「料理もドリンク類もボリューム感、お値打ち感があり、美味しくて、雰囲気が良ければ、必ず繁盛する」というセオリーは、世界共通なのだと、改めて思いました。
食事後に広々としたキッチンを見学させて頂きましたが、仕事の流れが組織的に明確化されており、スタッフのみなさんの動き、仕事振りは見事でした。
このお店は、まさしく「飲食業界のバイブル」だと思いました。

アメリカで大人気のスイーツ「Fudge」

「Fudge(ファジョ)」というスイーツをご存知でしょうか?ココナッツやメープル等、様々なフレーバーを加えたチョコレートのことなのですが、アメリカで人気のあるスイーツショップのほとんどでは、この「Fudge」が売られており、各お店のオリジナル商品を食べ比べるのは、とても楽しいものです。
下の写真は「Fudge」の専門店「Fudgery」で撮った物ですが、店内にオープンスペースの工房が有り、立ち寄ったお客さん達は製造過程を見学しながら、出来立てを試食することが出来ます。
店内には、物凄く良い香りが起ち込め、殆どの人は、2-3種類の「Fudge」を購入して行くようです。
このように、アメリカでは、各ジャンルの人気店の共通事項として、「アピールの巧さ」が挙げられると思います。逆に言えば、「アピール出来ないお店は成功しない」ということですね。



アメリカで人気の「チョコレートショップ」

アメリカ人の「チョコレート好き」は、かなりなものです。朝食のシリアルも「チョコレート味」が人気ですし、チョコレートフレーバーのアイスクリームにも、砕いたチョコレートを乗せて食べたりします。ピザ専門店に行きますと、チョコレートをたっぷり乗せたデザート用のピザがあり、殆どのお客さんが注文します。
そんなお国柄ですから、当然、チョコレートショップのレベルは高く、どこで食べても美味しいのですが、私のお薦めは、ブロンソンのアウトレットで見つけた「Rocky Mountain (ロッキーマウンテン)」チョコレートファクトリーです。甘さも控え目で、繊細な味わいは、日本人にも受けそうです。

アメリカで人気の「アイスクリーム店」

アメリカでは、チョコレートと並んで人気なのか゜、アイスクリームですね。
日本でも、最近、冷たい大理石の上で、フルーツやカステラ等、トッピングしたい物を混ぜてくれるお店が人気ですが、ブロンソンで見つけた「Marble Slab Creamery」でも、美味しいアイスクリームを求める若者で、長蛇の列が出来ていました。
店内では、一生懸命に混ぜ続けている店員さんの姿が印象的でしたが、お客さんを「待たせる」
ことも「アピール」という点では、大切なことかもしれませんね。


2008年03月29日

アメリカで人気の「ドーナッツショップ」

最近、都内にも進出し、人気のドーナッツ店「Krispy Kreme」をご存知でしょうか?人気の秘密は、美味しいのは当然ですが、店内では、その作業工程を見ながら、出来立ての熱々ドーナッツを買うことが出来るのです。ここでも、ポイントは、「他とは違う」という「アピール力」ですね。
それにしても、アメリカ人は、甘いドーナッツが大好きです。下の2枚の写真は、大手スーパーマーケット等で人気の2品なのですが、ひとつは「シナモンロール」、もうひとつは「カップ型ドーナッツ」です。
朝食、ランチ、おやつにと、色々な場面で目にしますが、精算のため、スーパーのレジに並んでいましたら、前に並ぶ人々の買い込む量の多さにびっくりしました。いったい、何日分なんでしょうか(笑)




2008年03月30日

アメリカで人気の「ポップコーンショップ」

ブロンソンのショッピングモールの中に、「The big popper」と言うポップコーンの専門店を見つけました。
とても繁盛しているお店で、中に入ってみますと、「全種類、試食OK」とのこと。早速、6種類ほど頂きましたが、どれも大粒でとても美味しいのです。今迄食べたことのない食感が新鮮でした。常時、12種類位あるそうですが、「全種類、買ってみたくなる」ほど魅力的で、「これは、日本で流
行るかも!」という予感が致しました。



アメリカで人気の「ハンバーガーショップ」

凄くボリューム感があり、しかも美味しくて有名なハンバーガーレストラン「Chili's」をご紹介致します。
店内に入りますと、まず、とても御洒落で開放的な空間に惹かれます。そして、出てくる料理全てが、私の想像を遥かに超えているのですから、素晴らしいと思います。
その代表が「玉葱丸ごと1個のフライ」ですが、このお店のヒット商品だそうで、「どうやって切るのだろうか?」と、キッチンに伺い、シェフに尋ねますと、専用のカッターを見せてくれました。それは、丁度、ゆで卵のスライサーをイメージして頂けると分かりやすいかもしれません。
名物の特大ハンバーガーも、決して大味ではなく、全体的なバランスが取れており、日本でもヒットしそうな気がします。





2008年03月31日

アメリカで人気の「ピッツァレストラン」

日本でも、最近は、焼き釜にこだわった「ピッツァ専門店」が増えるなど、ピッツァ人気はかなり高いですが、その点は、アメリカも同様です。
特に、「Pizza Inn」は、広くファミリー向けとして親しまれており、いつでも店内は、活気に満ち溢れています。常に、サラダも10種類位あり、バラエティーに富んだ各種ピッツァも、焼きたてが好きなだけ食べられるのが、人気の秘密でしょうか。
チョコレートとマシュマロが乗ったデザートピッツァを初め、スイーツも充実しているところは、アメリカらしいですね。
口の周りをトマトソースで真っ赤に染めた赤ちゃんもピッツァは大好きなようです(笑)



アメリカで人気の「プレッツェルショップ」

ハート型に編みこんだ「プレッツェル」という、アメリカ人が大好きなお菓子をご存知でしょうか?大きさは、小さなスナックタイプの物から、食パン数枚分のボリュームのある大きな物まで、様々なタイプか゜あり、お店ごとの特色を食べ比べるのも楽しいものです。
味付けも多種多様で、塩味だけのプレーンタイプから、辛いチリ、チーズ、ゴマや、甘い物では、チョコレート、メイプル、ヨーグルト、べりー系などまで、色々なバリエーションが楽しめます。
写真のお店「Auntie Anne's」では、店内で生地から作っており、オーブンの美味しそうな匂いに包まれながら、作業工程を見学しつつ、出来立てを購入出来るとあって、とても人気がありますし、私も大好きなお店のひとつです。


アメリカで人気の「グリルバーガーショップ」

ブロンソンで見つけたこのお店、日本流に言えば「鉄板焼きバーガーショップ」という名前になりそうですが、オーダーが入る度に、写真のように、大きな鉄板でスライスしたビーフや野菜を焼き、パンに挟んで、熱々の出来立てを提供してくれるスタイルが、アメリカ人の間で大人気です。元々、海外では、「鉄板焼きレストラン」は、人気がありますが、それをファーストフードに応用したもので、「ヒットは間違いなし」という発想だったと思います。
このお店の、隠れた人気メニューのひとつに「グルメ・ポテト」があります。写真のように、フライドポテトにカリカリベーコンと溶けるチーズをたっぷりかけた物なのですが、意外にアッサリと食べられるから、不思議です。でも、たまに食べるのが良さそうですね(笑)



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